国立大学法人 滋賀大学 様事例_マイナンバーカードを活用した学内サービスの充実により デジタルキャンパス構想のさらなる進化を実現

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マイナンバーカードを活用した
デジタルキャンパスのさらなる進化を検討

 2017年に日本初となるデータサイエンス学部を創設し、未来志向の文理融合大学への転換を推進中の滋賀大学。コロナ禍を経てニューノーマルとなった、対面と同時双方向オンラインを併用するハイブリッド型授業の円滑な実施を目指し、いち早くWi-Fi 6の導入に着手するなど、キャンパスのデジタル化を積極的に進めている。

 同学は2021年4月、ソリトンシステムズ「SmartOn ID」によるマイナンバーカード活用の学内サービスを開始。教職員および学生の利便性向上と、デジタルキャンパス構想のさらなる進化を実現した。

 


 国立大学法人 滋賀大学 図書情報課長の村木氏は、この取り組みの経緯を、次のように話す。

「国立大学法人では2022年度からの第4期中期目標としてマイナンバーカードの活用が掲げられています。データサイエンス教育の先進モデル校である本学は従前からキャンパスのデジタル化にも注力しており、目標よりも前倒しで教職員だけでなく学生も対象とした、より幅広いマイナンバーカードの活用方法を検討しました。学内には図書館の入退室や図書の貸し出し時など、学生証のICチップを使う機会が多くあり、それは教職員も学生も共通です。であればユーザーを限定せず、全員を対象にしたものを、と考えました。」



 同学はベンダーから提案を受け、ソリトンシステムズの多要素認証ソフトウェア「SmartOn ID」を採用。その理由を、情報機構 情報基盤センター 助手の大内氏は「マイナンバーカードの取得は強制することができませんので、学生に利便性の高いサービスを提供することでマイナンバーカードの普及を後押しすると共に、まだ取得していない学生には従来の学生証を使ったサービスも継続し、選べるようにする必要がありました。また、広く使ってもらうには学内のさまざまなサービスと連携する必要があり、加えて運用面での負荷がなく、安定していることが必須です。その観点で検討したとき、SmartOn IDを活用することが、もっとも我々が求めるイメージと合致しました。セキュリティベンダーとしてのソリトンの知名度や、本サービスの自治体や教育機関での豊富な導入実績にも安心感がありました。」と語る。

マイナンバーカードを
幅広い学内システムと連携


 今回、同学が構築したマイナンバーを活用した学内サービスは、図書館の入退館、図書の自動貸し出し、演習室のPCへのログイン、自動発行機による在学証明書などの発行、各教室の入退室や電子錠、駐車場の入出場など、広範囲に及ぶ。学生は初期に学生IDと自身のマイナンバーカードの紐づけ手続きだけ済ませれば、学内のほぼすべてのカード認証サービスが、マイナンバーカードで利用できる。



 構築時について村木氏は「SmartOn IDを介してマイナンバーカードと連携する学内の既存システムはそれぞれ独立しており、ベンダーも設計思想も異なります。そのため当初はシステム間の連携処理が心配でしたが、ソリトンに仕組みを丁寧に説明いただき、構築中も不明点があればその都度、的確にサポートしていただきました。結果的に大きなトラブルもなく、計画通りに構築が完了、予定通りサービスを開始することができました。利用から1年近く経過しましたが運用面での大きなトラブルもなく、非常に安定しています。」と評価する。

従来よりも利便性を高め、
マイナンバーカードの利用を促す


 サービス開始後の利用者の反応について大内氏は「学生が演習室のPCにログインする際、これまではユーザー名とパスワードの入力が必要でしたが、マイナンバーカードを利用するとカードリーダーにかざすだけで自動ログインでき、利便性が向上しました。パスワード忘れでログインできないなどの事務局への問い合わせ対応も削減できています。他にも図書の貸し出し時も手動の操作が必要なくなり、便利になりました。これらのことは学生証でも行えるので、マイナンバーカードならではの利点を提供することで活用を促進したいと考え、いまも検討を続けています。工夫した点としては、マイナンバーカードの置忘れを防止するためにカードリーダーを縦型に配置して、そもそも置けないようにしています。」と話す。

教職員のテレワークや学生のハイブリッド授業への
適用など、 さらなるマイナンバーカードの
活用拡大を検討


 今後の展開について、村木氏は「今回、ほとんどのカード認証を行うシステムとマイナンバーカードとの連携が完了しましたが、学内にはまだ一部、学生の出席管理などバーコードを利用するシステムが残っています。ベンダー側の機器開発などマイナンバーカード対応への進捗との兼ね合いをみつつ、順次電子化を進めたいと考えています。将来的には利用者IDをマイナンバーカードに統合できれば、大学側は学生証にICチップを持たせる必要がなくなり、コスト削減にもつながります。一方でマイナンバーカード自体の普及率や、情報の持たせ方など技術面に加えて、学生にマイナンバーカードを使うメリットをどう訴求するかなど、まだ試行錯誤が必要な点も残っています。引き続きソリトンや他校とも連携しながら、活用範囲を広げていきたいと思います。」と語る。

 最後に大内氏は、ソリトンへの期待を次のように話す。

「今回、学内でマイナンバーカードが利用できる環境になったことで、今後は教職員のテレワークにも活用を広げたいと考えています。また本学は学生のBYODによるハイブリッド授業も推進していますので、ゼロトラストな多要素認証、利便性を高めるシングルサインオンも求められます。ソリトンには豊富なセキュリティソリューションと連携してこうしたニーズに合致する、使いやすく管理と運用もしやすい、パッケージソリューションとしての提供に期待しています。」


※インタビューの内容は、取材当時(2022年1月)のものです。

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