【対面イベント】自治体DX展で感じた自治体担当者の抱えるギャップと、ソリトンの提供価値

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ソリトンシステムズ(以下、ソリトン)は、2024年6月26〜28日に東京ビッグサイトで開催された自治体・官庁・議員・公共機関向けの大規模展示会「第4回 自治体DX展」に出展しました。ブースでは、アプリケーション認証やインターネット分離に関するソリューションなど、全7製品をご紹介しています。

本イベントを終えて、来場者の声から見えてきた自治体の抱える課題とは。また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するために重要な取り組みとは。「第4回 自治体DX展」の概要と当日のブースの様子を通じて、ソリトンが自治体向けに提供できる価値についてもご紹介します。

行政のDXをサポートするソリューションを数多く展示

「自治体DX展」は、文字通り自治体DXの推進に役立つソリューションを中心とした、オフライン展示イベントです。「行政のIT課題の解決」を目的としたさまざまなソリューションが展示され、全国の自治体や官庁、公共機関の関係者が、ソリューションの検討や情報収集を行います。

DXやクラウドシフトを支援するサービスや、ITセキュリティなど、自治体業務に関わる最新のサービスが幅広く出展されました。

今年は3日間の会期中にのべ2万人の方々が来場され、ソリトンとしても500名を超えるお客様がブースに来場されるなど、盛況のうちに幕を閉じました。

セキュリティだけじゃない。DXを意識したソリトンソリューションを展示

ソリトンは例年ITセキュリティ事業部が主体となって、セキュリティソリューションを展示してきましたが、今回新たに映像コミュニケーション事業部、遠隔運転タスクフォース、AI事業部と協力し、合同展示を行いました。


それぞれの事業部でフォーカスした課題と、対応ソリューションとしてご紹介した製品は以下のとおりです。

【ITセキュリティ事業部】

  • LGWAN環境をより便利に、より安全に

→自治体における今後のクラウド利活用に向け、セキュアかつ使いやすい認証基盤を提供するIDaaS『Soliton OneGate』。デジタル証明書による多要素認証とシングルサインオン機能で、利便性と安全性を両立させたゼロトラスト環境の構築を支援。


  • USBメモリから脱却しデータ漏えいリスクを削減

→オンラインストレージサービス『HiQZenサービス』のファイル共有・転送機能で、外部記憶媒体(USBメモリやフロッピーディスクなど)を用いない、安全な外部とのデータ共有を実現。


  • Web閲覧の安全性と使い勝手を両立

→ インターネット分離環境における安全・快適なWeb閲覧を実現する『Soliton SecureBrowser』は、端末内部に生成したセキュアな隔離領域で稼働する独自ブラウザ。アプリと専用ゲートウェイというシンプルな構成で、リーズナブルにインターネット分離を実現する。


  • ブラウザ以外の業務も安全に

→Soliton SecureBrowser同様、ローカルと分離された隔離領域を生成する技術を用いて、『WrappingBox』はブラウザだけでなくOfficeやPDFなどのデスクトップアプリまで安全に動作させる。隔離領域内で業務を完結することで、情報漏えいを防止。


【映像コミュニケーション事業部】

  • 現場での安全管理や災害発生時の状況把握を効率化

→モバイル回線を利用して高画質の動画をライブ中継する『Smart-telecaster』シリーズで、現地映像のリアルタイム伝送を実現。


【遠隔運転タスクフォース】

  • 安全・安心な自動運転を実現

→『遠隔型自動運転システム』はソリトンの映像伝送技術を活用し、自動運転レベル4に対応した自動運転走行車両の状態の常時監視、緊急時の遠隔運転操作を実現する。


【AI事業部】

  • 議会答弁資料の作成を支援

→AIサービス『議会助手』の優れた検索能力や質問・答弁作成の双方向支援を活かし、膨大な人手と時間がかかっていた議会前の準備作業を軽減。

今年はこれまで以上に「DX」というテーマを意識し、セキュリティのみに留まらない展示でブースを構成しました。その背景について、パブリックビジネス戦略本部の小國 淳一はこう説明します。

“ソリトンは毎年「自治体DX展」に出展していますが、昨年あたりからセキュリティ以外のところでも情報収集されるお客様の来場が目立つようになりました。DXがどの業界・業種でも当たり前のように拡がっていく中で、自治体の職員の方もセキュリティだけではなく、業務効率化などを目的に、情報システム部以外の方が来場されるようにもなってきています。

実際、人口構造の変化による職員体制整備、財源確保が問題となっている地方自治体では、今後起こるとされる自然災害に備える防災問題や過疎化による交通機関の衰退など、様々な課題を抱えているケースも少なくありません。そこで、自治体が取り組まなければいけない業務に対しソリトンはどういう提案ができるのかを整理した上で、DXをより意識した幅広い展示を実施しました”

DX化の理想と現実。自治体の現場担当者が抱える悩み

イベント当日は、DX推進部門の担当者や防災担当者、交通政策担当者など幅広い部署の方々が来場されましたが、その多くが重要視していたのが「業務での利便性」であったと言います。

“インターネットを使って様々なシステムやサービスを融合させて、業務を効率化していくという観点で見ると、自治体は他業種と比較して遅れをとっていると思います。

自治体は過去に発生した不正アクセス事件を受け、基幹業務とインターネットを分けるという考え方が浸透しており、そのおかげでサイバー攻撃から身を守ってこられたわけです。ですが、ここ数年でDX化・クラウド化が叫ばれるようになり、やらなければいけないことが急増しているものの、ガイドラインによって厳格なセキュリティ対策を実施しなければいけない現在の環境下では簡単にいかないことも多く、理想と現実とのギャップに苦しんでいらっしゃると感じます。

また、クラウドサービスをうまく活用していくためのシステムとなると、大幅な変更のためにまとまった予算も必要になってくるので、財源確保という面でも大変さを感じられていると思います”(小國)

当日は、利便性とセキュリティのバランスに関する課題やご質問が多数寄せられたといいます。

例えば、「αモデルでクラウドサービスを活用するローカルブレイクアウト構成はどのような点に留意する必要があるか」というもの。自治体では、端末の接続をマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系に分けて利用する「三層分離」が基本となっています。

関連記事「三層分離下において業務効率化に苦慮する地方自治体。「α’モデル」と「ローカルブレイクアウト」による解決法とは   」

2020年に総務省が改訂した「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン  」では、一部のLGWAN接続系の業務システムをインターネット接続環境へと移行させるβ/β’モデルが提示されました。この改訂によって業務の利便性が上がる一方、新たなセキュリティ対策が必要となり、コスト面でも課題が生じています。この解決策になると思われるのが、α’モデルです。α’モデルはαモデルの構成を維持したままLGWAN接続系の端末から特定のクラウドサービスにローカルブレイクアウトでアクセスする構成で、コスト面での負担を抑えつつ、業務の利便性を高めることができます。

このα’モデルを実現するためには、適切なアクセス制御の仕組みが必要になります。今回の展示の中でも最も反響が大きかったのが、クラウド利用における多要素認証やシングルサインオンで、統合的なアクセス制御を行うSoliton OneGateです。Soliton OneGateの発行するデジタル証明書を持たないデバイスからのアクセスを確実に防止し、正しいデバイス・ユーザーにはクラウドやオンプレミスの業務システムへのシングルサインオンを提供することで、スムーズなアクセス環境を実現します。Soliton OneGateは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度ISMAP」クラウドサービスリスト※に登録されており、政府が求めるセキュリティ要件を満たしたソリューションであることもポイントです。
※登録番号:C24-0074-2

また、「現在利用中のインターネット分離ソリューションの使い勝手が悪い」ということで、インターネット閲覧時の操作感、レスポンスに課題を感じられている方がいらっしゃいました。その解決策となるのが、Soliton SecureBrowser。実績豊富な『端末内分離』ソリューションで、VDIなどサーバー集約型のソリューションと異なり、各端末のリソースを用いてスムーズなブラウザ操作ができることが特徴です。LG-WAN接続系の端末にアプリとしてインストールし、専用のゲートウェイ経由でインターネットへアクセスします。インターネット上の脅威はSoliton SecureBrowser内でとどめられ、端末にある大切な情報の流出を防ぐことが可能です。悩みを抱えていた自治体職員の方はもちろん、自治体へソリューションを提案する販売店の方も、Soliton SecureBrowser に大きな関心を寄せていました。

DXに必要な環境構築を包括して支援する。自治体DX展への出展を振り返って

ソリトンでは、今回展示したもの以外にもセキュリティ強化や業務効率化を叶えるソリューションを幅広くご用意しており、各自治体の課題に合わせた柔軟なご提案が可能です。

最後に、小國とパブリックビジネス戦略本部の牧野 歩未は自治体の方に次のメッセージを送ります。

今まで、インターネットを三層分離の環境で運用していた自治体は、国からゼロトラストを目指していく、というメッセージを出されて、 どう対処すべきか判断がつかない状況になっているかと思います。

しかも自治体には人事異動があるので、担当が他部門から情報システム部門に異動された場合には、 専門知識の習得も図らなければ ならないという大変さもあります。

多くの自治体には情報システム担当者が専属でいるわけではないので、自治体の中でDXを網羅的に推進するという話はかなり難しい事だと思います。その一方、セキュリティ強化と利便性の両立はより重要になってくると思うので、そこは国産のベンダーで長年セキュリティソリューションを提供しているソリトンにお声がけいただき、課題を抱えているお客様に対しセキュリティだけではなく、DX推進に必要な取り組みまで幅広く支援していきたいですね(小國)

来場者の印象として、「将来的なネットワーク構成をどうしていくか」に悩まれている自治体様や販売店様が非常に多かったと思っています。

ちょうど5月末頃に、デジタル庁から「三層分離を撤廃する」というメッセージもありました。今後はゼロトラストに移行すべきか悩まれていて、情報収集をしに来られた販売店様やエンドユーザー様が沢山いらっしゃいましたので、セキュリティメーカーのソリトンとして、お客様のためになる情報発信をより積極的にしていきたいと感じました(牧野)


今後も各イベントに出展予定です!

今後も全国各地で開催されるイベントに出展予定です。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

ソリトンの 出展情報はこちらからご確認いただけます。

取材日:2024年7月30日
株式会社ソリトンシステムズ